スマートフォンメーカーのOPPOは2022年10月に超格安スマートフォンとなる【OPPO A77】を発売しました。この端末は発売と同時にMNP案件として格安で端末を購入できるようになり一躍話題となりました。直近の半導体需要のひっ迫や円安の影響を受けて多くの新型スマートフォンの値上げが続いている中、新品で数千円で購入できる機種として時代の流れに逆行した珍しい機種となっています。しかし、価格が安いと言うことはその性能は高いとは限りません。この【OPPO A77】はどのような性能を備えているのか、筆者は実際に実機を購入して使用してみましたので、ここにレビューをお届けします。
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OPPO A77 のスペック
機種名 | OPPO A77 (CPH2385) |
カラー | ・ブラック ・ブルー |
ストレージ | 128GB eMMC 5.1 外部メモリ:microSDXC™ (最大1TB) |
メモリ | 4GB LPDDR4x 最大4GB RAM拡張可能 |
サイズ | 縦 :163.7mm 横 :75.0mm 厚さ:約8.0mm 重量:187g |
ディスプレイ | パネルタイプ:液晶(LCD) サイズ:6.5インチ 解像度:HD+(1612×720) 画面占有率:89.8% ピクセル密度:269ppi 輝度:最大600nit リフレッシュレート:60Hz タッチサンプリングレート:最大60Hz |
プロセッサ | MediaTek Helio G35 |
バッテリー | 5,000mAh 充電速度:33W SUPERVOOCTM |
カメラ | メインカメラ 50MP (f/1.8) 動画 1080P/720P @ 30fps 電子式手振れ補正なし 深度測定用カメラ 2MP (f/2.4) フロントカメラ 8MP (F2.0) 動画 1080P/720P @ 30fps |
生体認証 | 顔認証 側面指紋認証 |
対応バンド | デュアル物理SIM(nanoSIM×2) 5G非対応 周波数帯域 2G: GSM 850/900/1800/1900MHz 3G: UMTS(WCDMA) Band 1/2/4/5/6/8/19 4G: TD-LTE Band 38/41 4G: LTE FDD Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/26/28/66 |
Wi-Fi | 2.4GHz/5GHz、ieee802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.3 コーデック:SBC, AAC, aptX HD, LDAC |
位置情報 | GPS、BeiDou、GLONASS、GALILEO、QZSS |
センサー | 地磁気センサー 近接センサー 光センサー 加速度センサー 重力センサー |
防水・防塵規格 | IPX4・IP5X |
OS | ColorOS 12 |
その他 | 3.5mmオーディオジャック 技適認証済み |
OPPO A77 は鮮やかなカラーと大きなカメラが特徴的な筐体デザイン
開封・同梱品の紹介
パッケージには日本国内でも流通のあるOPPO Renoシリーズと同じデザインで、鮮やかなミントブルー色を前面に配色したとてもシンプルなものとなっています。
付属品にはSIMピン、ユーザーガイド、専用のTPUカバー、そして33W急速充電器とケーブルが同梱されています。Renoシリーズは充電器関係は付属されていないのでとてもありがたい仕様です。
本体外観の紹介
筆者はブルー系のカラーを選択しました。OPPO Glowと呼ばれる角度で色が変わる鮮やかな色味がとても美しく見えます。また、側面は流行りのフラットデザインで、とてもおしゃれなデザインとなっています。
カメラが大きく誇張されていて、非常に特徴的なカメラユニットを備えます。
後述しますが、カメラ性能は...
側面のインターフェースは、上部にはなにもありません。
下部はスピーカー、USB Type Cの充電口、マイク穴、そして3.5mmのイヤホンジャックがあります。
残念ながらスピーカーは下部のみのシングルです。
背面向かって右側側面はSIMトレーと音量ボタン。
左側には指紋認証センサー兼電源ボタンを備えます。
保護フィルムは初期装備
ディスプレイ面には購入した当初から保護フィルムが張り付けてあります。厚めのフィルムとなっており、初期保護フィルムとしては質の高いものが使用されていると言えます。
とはいえあくまで商品輸送時の画面保護を目的としているので指紋や傷は付きやすく、長く使用する場合はガラスフィルム等に張り替えることをお勧めします。
付属カバーはカメラユニットをしっかりと保護
商品には専用のTPUカバーが付属しています。
カメラユニットもカバーで覆われていてレンズのみがくりぬかれている形状となっているため、レンズが露出することはありません。
また、一般的なTPUカバーではありません。背面はクリアできれいなデザインを損なわないようになっていますが、側面はすりガラスの様に曇らせた加工が施されており、また社名の「OPPO」というレーザー印字が側面にワンポイント備えられています。安いスマホに良く付属されている無機質なただの透明TPUではなく非常にかっこよくおしゃれで気に入る人は多いと思います。
重量は約185gと軽量な設計
本体重量は初期保護フィルムを含め約188gと、スマートフォンの中では軽量の部類に入る重量です。長時間手に持ち操作をしていても全く疲れることなく使用することが出来ます。
しかし、付属カバーを取り付けた状態では約208gと、200gを超えてしまう結果となりました。
厚み8.0mmと薄いけど少しだけ持ちにくい形状
本体の厚みは8.0mmと非常に薄い設計となっていますが、ストレートエッジの影響もあり少し持ちにくく感じてしまいます。しかし6.5インチの大画面を備えていながら横幅は75.0mmと抑えられており、ぎりぎり片手で操作できるサイズ感であると言えます。
OPPO A77 の初期アプリは少ないが初期ストレージは圧迫されている
プリインストールアプリは少なめ
SIMフリー版ではプリインストールアプリ(初期アプリ)は非常に少なく、すっきりしている印象です。
初期ストレージ容量は圧迫されている
初期アプリは少ないのですが、その他やシステムで初めから多くの容量を使用しており、ストレージを圧迫している状態でした。
OPPO A77 は6.5インチの液晶ディスプレイを搭載
ベゼル下部が長めな6.5インチ液晶ディスプレイ
低価格スマホということもあり、解像度の低い液晶ディスプレイの採用となっています。また、しずく型のノッチや長い下部ベゼルなど、デザイン面でも古さを感じてしまいました。しかし、発色は問題なく、解像度の低さも特に気にならない程度となっています。
日常的に使用をしていれば気にならなくなります!
画面輝度は少し不安な最大600nit
液晶画面ということもあり、画面の最大輝度は600nitと少し物足りなさを感じます。太陽の元では画面が見えにくく感じることがあります。
画面リフレッシュレートは60Hz
画面のリフレッシュレートは60Hzです。
OPPO A77 はローエンドスマートフォンの処理性能
AnTuTuベンチマークテスト(V9)の結果
SoCに「MediaTek Helio G35」を搭載しているこの端末は、AnTuTuベンチマークテストVersion9.4.4にて約12万点を記録します。この点数では、容量の多い高画質グラフィックのゲームは処理が追い付かないどころか、lineやYouTube、TwitterなどのSNSやブラウザですらスムーズで快適に操作をすることは難しいことがあります。
価格相応と言ったらそうですが、一度でもハイエンドスマートフォンを触ったことあがある人はすべての操作でストレスを感じてしまいます。
機種名 | 得点 | SoC | バージョン |
Xiaomi Mi11 Ultra | 775,320 | SDM 888 | 9.3.2 |
Redmi K40 / POCO F3 | 686,792 | SDM 870 | 9.4.2 |
POCO X3 Pro | 547,118 | SDM 860 | 9.0.10 |
HONOR 50 | 515,059 | SDM 778G | 9.3.2 |
OPPO Reno5 A | 398,362 | SDM 765G | 9.4.4 |
OPPO Reno7 A | 381,145 | SDM 695 | 9.4.1 |
Blackview BV8800 | 300,343 | MT HG96 | 9.4.4 |
Redmi 10 | 209,927 | MT HG88 | 9.1.4 |
Blackview A100 | 209,132 | MT HP70 | 9.2.2 |
UMIDIGI A13 Pro | 201,896 | UN T610 | 9.3.8 |
Redmi 9T | 192,172 | SDM 662 | 9.0.4 |
UMIDIGI A11 Pro Max | 191,795 | MT HG80 | 9.2.9 |
UMIDIGI A13S | 152,958 | UN T310 | 9.3.9 |
UMIDIGI A11 | 108,026 | MT HG25 | 9.1.6 |
ツイッターの挙動をチェック
実際にTwitterを操作してみましたが、スクロールでは処理が追い付かず所々で動作が止まってしまい、非常に使いづらく感じてしまいました。
設定でRAM容量を追加可能
もともと端末のRAM容量は4GBと少ない仕様ですが、本体ストレージをRAM容量として活用をすることができる機能が標準搭載されており、最大で4GBまで拡張することが可能です。これにより合計8GBとなり、多くのアプリを動かす際や重いアプリを使用するときに非常に有効となります。
とは言えSoCのパワーが低すぎるので、RAM容量が増えたところで劇的に使いやすくなるわけではありません。
OPPO A77 は33Wの急速充電に対応
バッテリー容量は5,000mAhと標準的
バッテリー容量は5,000mAhと標準的な容量を備えています。一般的な使い方であれば1日使用してもバッテリーが切れてしまうことは無いでしょう。また、使用していない間の消費電力は少なく、バッテリードレインは優秀と言えます。
充電速度は33Wの急速充電に対応
OPPO独自規格である「SUPERVOOC」と呼ばれる急速充電規格に対応しています。最大33Wの速度での充電が可能で、付属されている充電器がこの規格に対応をしています。
格安スマートフォンとしては異例の仕様となっています。
OPPO A77 はデュアルスピーカーでステレオに対応
本機は下部側面と受話口部にスピーカーを備えたデュアルステレオスピーカーに対応をしています。しかし音の出る方向が異なり、左右同じ音を流しても違うように聞こえてしまう仕様となっています。
高音域が特に左右で聞こえ方に差があります。
OPPO A77 は背面指紋認証に対応
右側面にある電源ボタンが指紋認証センサーを搭載しており、電源ボタンを押す要領で生体認証を使用することができます。
顔認証の精度・速度共に不満は無いので、側面指紋認証が嫌いな人はこちらを使いましょう。
OPPO A77 の写真性能は非常に低い
背面のカメラは2個あるように見えますが、うち一つは深度測定用のカメラとなっているため、実質的には1眼カメラのスマートフォンとなっています。画角の違う超広角カメラや望遠カメラ、マクロカメラの搭載はありません。
メインカメラ(50MP)
実際に数枚、様々なシチュエーションで写真を撮影してみましたが全体的に質は低く、細部や暗い箇所の表現をうまく写しだすことができませんでした。価格相応、と言えばそれまでですが、もう少しカメラ性能がないと、メインで使うスマートフォンとしては非常に物足りないと感じます。
ズーム性能(デジタルズーム)
ズーム性能はデジタルズーム最大5倍に対応しています。5倍の写真は荒っぽさが目立ち、2倍以上のズームまでが限界で、それ以上は実用的ではありません。
夜景モード
本機カメラには「夜景モード」を搭載しています。オート撮影より多少は明るく撮影することはできますが、もともとのカメラスペックが低いためか感動するようなきれいな夜景写真を撮影することはできませんでした。
ポートレードモード
ポートレートモードでは、背景のボケ感は少し弱めの処理となっています。判別の難しいとされているストローは、わかりずらいですが認識されていないように見えます。
関係ないですが、僕、紙ストロー、嫌い。
その他の撮影モードは少ない
他のスマートフォンでは、その他にも様々な撮影モードを搭載しているのですが、本機はパノラマ・タイムプラス・ステッカーそしてプロモードのみの搭載しかありません。写真性能が全体的に低いことに加えてモードも少ないので、カメラ性能を求める人は絶対に選んではいけないスマートフォンであると言えます。
OPPO A77 の動画性能も低い
動画は最大1080p画質のフレームレート30fpsにのみ対応。高画質で滑らかな写真はどんなに頑張っても撮影することはできません。また、手振れ補正機能も備わっていないため、手持ちでの撮影は非常に見ずらい動画となってしまいます。
OPPO A77 の対応バンド及びVoLTE状況
物理SIMカードを2枚+microSDを同時に使用可能
SIMトレーは2枚のSIMを使用できるデュアルSIMに対応し、同時にmicroSDカードを挿入できる仕様となっています。なお、eSIMは非対応です。
全キャリアで快適に使用できるバンド帯に対応
2G: GSM 850/900/1800/1900MHz
3G: UMTS(WCDMA) Band 1/2/4/5/6/8/19
4G: TD-LTE Band 38/41
4G: LTE FDD Band 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/26/28/66
楽天モバイルを含めた4大キャリア全ての通信を問題なく使用できるバンド帯に対応をしています。なお、5G通信は非対応です。
OPPO A77 は最低限の生活防水・防塵に対応
防水にIPX4、防塵にIP5Xにそれぞれ対応しており、日常生活で一般的な使用をする限りでは水没等の心配はありません。
IPX4 防水性能 ⇒ いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない
IP5X 防塵性能 ⇒ 粉塵からの保護
OPPO A77 はおサイフケータイに非対応
FeliCaを搭載していないため、おサイフケータイ機能を使用することはできません。
OPPO A77 の価格(2022年11月現在)
SIMフリー版の価格
Amazon価格
⇒ 22,545円
MNPによる購入がお得(IIJmio) 端末一括2,480円
IIJmioではMNPによる回線契約及びギガプランへの加入をすることで、本体一括2,480円で購入することができます。
まとめ
・鮮やかでおしゃれなデザイン
・上質な初期画面保護フィルムと付属カバー
・185gの軽量ボディー
・33Wの急速充電対応(充電器付属)
・最低限の防水防塵性能に対応
・安い価格
・低スペックのディスプレイ性能
・低スペックの処理性能
・低すぎる写真動画性能
・eSIMと5Gに非対応
・おサイフケータイに非対応
他のレビュワーは「絶対に買うな」と唱えている人が多いこの機種ですが、筆者も実際に使用して同じような印象を受けました。その理由は圧倒的な処理性能不足とカメラ性能不足です。しかし、当ブログで取り上げているUMIDIGIやBlackviewといった格安中華スマートフォンのレビュー記事でも同じことを伝えていますが、用途を限定することで利用価値が生まれてくると思います。メインのスマートフォンで使用するのは厳しいので、サブスマートフォンや動画視聴専用の端末にするなど特定の役割を与えるとよいでしょう。何より価格が安くて手にしやすい端末であるので、少しでも気になる人は試しに購入してみるのも良いかもしれません。
⇩当ブログでは【OPPO Renoシリーズ】の実機レビューをしています⇩