【Redmi K40】は2021年3月に1999中国人民元、当時のレートで約33,000円という低価格で発売が開始されました。とても安価な価格設定にもかかわらず、高性能で低発熱省電力で評判の高いSoC『Qualcomm Snapdragon 870』や当時のフラグシップ有機ELディスプレイの『Samsung E4』を搭載していたため、発売直後はなかなか購入することができないくらい大人気商品となりました。翌年の2022年にその後継機種【Redmi K50】が発売されましたが【Redmi K40】の出来が良すぎたこと、半導体不足や円安の影響で価格が高くなってしまったことで、いまいち人気の出ない不運な機種となってしまいました。後継機種の失敗により【Redmi K40】の人気は衰えることなく、なんと現在(2022年7月)においても中古の価格相場は当時の販売価格である約33,000円前後を維持しています。
そんな、今でも色褪せることなく輝き続けいている名機【Redmi K40】を筆者は入手し数か月使用いたしましたので、本当に現在でも価値のある機種であるのかどうか詳細に紹介したいと思います。
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【Redmi K40】は技適未取得機器です。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度を申請を行ったうえで当機種を使用しています。
【はじめに】Redmi K40 は中国版のモデル名で日本語非対応
今回紹介をする【Redmi K40】は中国版のモデル名であり日本語には対応しておりません。しかし、初期状態で日本語に対応をしているグローバル版の【POCO F3】が【Redmi K40】のリネーム製品としてほぼ同スペックで存在をしています。また、【Redmi K40】はROM焼きをすることで日本語を設定して使用可能となります。
※ROM焼きの方法については当ブログでは紹介しません。また、誤った方法でROM焼きを行うと端末が文鎮化(使用不可能の状態)してしまう可能性があります。行う際は自己責任でお願いいたします。
Redmi K40 のスペック
機種名 | Redmi K40 |
カラー | ・ホワイト ・グロー ・ダマスカスブラック |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS3.1 |
メモリ | 6GB / 8GB / 12GB LPDDR5 |
サイズ | 縦 :163.7mm 横 :76.4mm 厚さ:7.8mm 重量:196g |
ディスプレイ | 有機EL(Samsung E4 AMOLED) サイズ:6.67インチ 解像度:FHD+(2400×1080) 輝度:最大1300nit リフレッシュレート:120Hz / 60Hz タッチサンプリングレート:360Hz Corning®️5thGenerationGorilla®️Glass |
プロセッサ | Qualcomm® Snapdragon870 |
バッテリー | 4,520mAh 充電速度:33W Type-C 急速充電規格:QC3+/PD3.0 |
カメラ | メインカメラ IMX582 48MP (1/2インチ , f/1.79) 動画 4K30fps / 1080p60fps スローモーション 1080p960fps 超広角カメラ 8MP (Fov 119 °) マクロカメラ 5MP フロントカメラ 20MP 動画 1080p30fps スローモーション 720p120fps |
生体認証 | 顔認証 側面指紋認証 |
対応バンド | デュアルSIM 5G デュアルカードVoLTEHD音声対応 周波数帯域 5G:n1 / n3 / n28A / n41 / n77 /n78 4G:FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B18 / B19 / B26 /B28A TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 /B42 3G:WCDMA:B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19 CDMA EVDO:BC0 2G:GSM:850/900/1800 / 1900MHz; CDMA 1X:BC0 |
Wi-Fi | 2.4GHz/5GHz、Wi-Fi 6、Wi-Fi 5、Wi-Fi 4、802.11a / b / g |
Bluetooth | Bluetooth5.1 コーデック:SBC / AAC / LDAC / LHDC |
位置情報 | GPS、BeiDou、GLONASS、GALILEO |
センサー | 360°周囲光センサー、加速度センサー ジャイロスコープ、電子コンパス 色温度センサー、リニアモーター |
防水・防塵規格 | 生活防水(IP53) |
OS | MIUI12(Android 11) ※現在はMIUI13へアップデート可能 |
その他 | Dolby Atmos 認定デュアルステレオスピーカー NFC搭載 |
※【POCO F4】は本体カラーや対応バンド等が異なります。
Redmi K40 はおしゃれデザインの筐体に付属品はフルセット完備
開封・同梱品の紹介
化粧箱は白地の箱にゴールドの文字で大きく機種名が表示されていて、非常に高級感を感じます。
背面にはRedmiシリーズのキャラクターがプリントされています。
か、、かわいい、、、
内容物は充電用のACアダプタ、ケーブル、SIMピン、取扱説明書、そして専用のTPUカバーです。価格の低いスマートフォンですが、ケチることなくフルセット付属されています。
付属の充電用ACアダプタは最大33Wの出力に対応しています。
Xiaomiの2022年発売のスマホでは、ミドルレンジ帯ですら有線120W充電に対応・付属しているので、比べてしまうと少し物足りなさを感じます。
本体外観の紹介
今回筆者が購入した端末のカラーは『ダマスカスブラック』です。背面向かって右上から流れるようにかっこいい模様が描かれています。
模様は派手過ぎず木目のような粋なデザインでとてもおしゃれです。
まぁ、どうせカバーで少なくとも見えにくくはなってしまいます。
端末上部はスピーカーと、Xiaomi端末おなじみのIRブラスター(家電製品リモコン用の赤外線発信機)が存在します。
下部は左からスピーカー、マイク、充電口、SIMトレーを備えます。
背面向かって左側面は音量ボタンと指紋認証センサー兼電源ボタンがあります。
反対サイドには何もありません。
付属TPUカバーは使いにくい仕様で別途調達がおすすめ
この端末には透明のTPUカバーが付属されています。カメラユニットはすべて露出されるように切り抜かれていますが、ふちが高くなっており、机等においてもカメラユニットが保護されるように設計されています。
また、充電口にふたがあります。無線充電機能を有さない端末のため、充電の度にこのふたを開く動作が必要となり、とても邪魔に感じてしまいます。
ハサミで切ってしまったほうが幸せになれます。
本体重量は196gと標準的
端末の重量は公称値で196gです。
画面保護ガラスフィルムと付属されている専用TPUカバーを装着した状態で計測すると228gとそこそこの重量となってしまいました。
正直、カメラに全く注力していないスマホとしては重い部類になっています。もう少し軽かったらよかったですが...
厚み7.8mmと薄いけど横幅が広く片手では持ちずらい形状
端末の厚みは7.8mmと薄くてよいのですが、横幅が76.4mmと広く設計されています。端末の重量もありとても片手では持ちづらい形状になっています。
もちろん個人差はありますが、端末の横幅は74mm台が非常に持ちやすいサイズ感であると思います。
Redmi K40 を日本語で使用するならROM焼きもしくはモアロケ導入が必須
ROMを焼く場合は公式のグローバルROMがおすすめ
前述していますが、【Redmi K40】は初期状態では日本語を選択することができません。日本語で使用する場合は、日本語に対応をしたROMを自分で端末に焼くか、すでに日本語に対応されたROMが導入されて個体を購入するか、もしくは『MoreLocale2』を導入する必要があります。ROMにはXiaomiの公式のものと非公式のものがあり、特に拘りがない人は公式のグローバルROMを導入することがおすすめです。また、【Redmi K40】に公式グローバルROMを導入するとシステムデザインにポコランチャーが適応されます。
【POCO F3】の場合は日本語が標準搭載
【Redmi K40】のグローバル版として多くの地域で販売されている【POCO F3】は、初期状態で日本語に対応しています。【Redmi K40】とほぼ同じスペックを持っていますが、相違点としてデザインの違い(寸法は一緒)、RAM容量のラインナップの違い(K40は12GBがある)、そして対応バンドの違いがあります。
Redmi K40 / POCO F3 は6.7インチの高性能ディスプレイを搭載
「DisplayMate」で最高評価A+獲得の2021年フラグシップディスプレイ『E4』搭載
2021年に発売されたフラグシップスマートフォンの多くに採用されてきたSamsung製ディスプレイ『E4』をこの機種は搭載しており、ディスプレイ評価機関の「DisplayMate」で最高評価のA+を獲得しています。【Redmi K40 / POCO F3】は6.7インチの大きな画面で明るく鮮やかな映像を堪能することができます。
端末価格約3.3万円で『E4』を搭載していて凄い、と発売当時話題になりました。
画面輝度も十分に高く屋外でもとても見やすい
画面の最大輝度が1300nitととても明るく、天気のいい屋外でも高い視認性を発揮してくれます。
画面リフレッシュレートは120Hzに対応
画面のリフレッシュレートは最大120Hzに対応しています。滑らかな操作感でブラウジングを楽しむことが出来ます。
Redmi K40 / POCO F3 はハイエンド級の処理能力を備えている
AnTuTuベンチマークテスト(V9)の結果
SoCに「Qualcomm® Snapdragon™ 870」を搭載しているこの端末は、AnTuTuベンチマークテストVersion9.4.2に約68万点を記録しました。最新のSoCは約110万点に達する能力を発揮する性能を備えていますが、この【Redmi K40 / POCO F3】の68万点も十分にハイエンド級の性能と言え、処理の大きな3Dグラフィックを用いたゲームも不自由なく遊ぶことができます。さらにそれでいて発熱も少なく、長時間高負荷の処理を省電力でこなすことができる優秀な処理能力を持っていると言えます。
機種名 | 得点 | SoC | バージョン |
Xiaomi Mi11 | 778,556 | SDM 888 | 9.0.5 |
Xiaomi Mi11 Ultra | 775,320 | SDM 888 | 9.3.2 |
POCO X3 Pro | 547,118 | SDM 860 | 9.0.10 |
HONOR 50 | 515,059 | SDM 778G | 9.3.2 |
OPPO Reno7 A | 381,145 | SDM 695 | 9.4.1 |
Redmi 10 | 209,927 | MT HG88 | 9.1.4 |
Blackview A100 | 209,132 | MT HP70 | 9.2.2 |
UMIDIGI A13 Pro | 201,896 | UN T610 | 9.3.8 |
Redmi 9T | 192,172 | SDM 662 | 9.0.4 |
UMIDIGI A11 Pro Max | 191,795 | MT HG80 | 9.2.9 |
UMIDIGI A13S | 152,958 | UN T310 | 9.3.9 |
UMIDIGI A11 | 108,026 | MT HG25 | 9.1.6 |
何度も言いますが端末価格は約3.3万円です。この処理能力だけを見ても今でも超高コスパスマホであることは間違いありません。
ツイッターの挙動をチェック
実際のツイッターでの挙動も非常になめらかで、スクロールをしても特に引っかかることなくスムーズに操作をすることができました。
ぬっるぬるでさっくさくです。
Redmi K40 / POCO F3 は一日十分に使用することが出来るバッテリー性能
バッテリー容量は4,520mAhと標準的
バッテリーテストは「PCMark for Android」にて、画面リフレッシュレート120Hz、輝度音量共に50%固定して実施しました。その結果、バッテリー残量100%から20%になるまでに12時間56分かかりました。つまり0%になるまで使用を続けた場合は16時間10分かかる計算となります。ディスプレイが大きく120Hzの画面リフレッシュレートというバッテリー消費しやすい端末ではあるものの、省電力性能の優秀なSoCの力を発揮し、一日普通に使っても問題ないだけのバッテリー性能を備えていると言えます。
機種名 | 記録時間 | バッテリー容量 |
UMIDIGI A11 Pro Max | 23時間17分 | 5,150mAh |
UMIDIGI A11 | 23時間05分 | 5,150mAh |
UMIDIGI A13S | 16時間15分 | 5,150mAh |
POCO X3 Pro | 16時間10分 | 5,160mAh |
UMIDIGI A13 Pro | 14時間57分 | 5,150mAh |
HONOR 50 | 13時間29分 | 4,300mAh |
Redmi 10 | 13時間04分 | 5,000mAh |
Blackview A100 | 8時間41分 | 4,680mAh |
充電速度は33Wと低速
充電速度については遅く、有線で最大33Wとなっています。現在販売されているXiaomi端末はミドルレンジ帯のスマートフォンですら有線最大120Wの急速充電性能を備えている端末もあり、この【Redmi K40 / POCO F3】の充電速度は少し物足りなさを感じます。また、無線充電も非対応です。
Redmi K40 / POCO F3 は超高音質のステレオスピーカーを搭載
Dolby atmosのサポートを受けたステレオスピーカーを搭載しており、ダイナミックで超高音質の音楽を楽しむことができます。
Redmi K40 / POCO F3 は側面指紋認証及び顔認証に対応
【Redmi K40 / POCO F3】は側面指紋認証と顔認証に対応しています。速度も不満を感じない十分に速い速度で認証を完了します。
残念なことに画面内指紋認証には非対応です。
Redmi K40 / POCO F3 の写真性能は必要最低限のレベル
メインカメラ(48MP)
メインカメラに採用しているイメージセンサーはソニー製の「IMX582」です。4800万画素と高い解像度の撮影は可能ですが、センサーサイズが1/2インチと小さいため十分な光を取り込めず暗いところでの撮影は苦手なセンサーとなっています。実際に撮影をしてみても明るい環境では色鮮やかで鮮明な写真が撮れますが、暗い環境では黒つぶれやノイズが表れてしまう結果となりました。
超広角カメラ(8MP)
超広角カメラは800万画素の解像度にしか対応しておらず、明るい環境で撮影した写真ですら荒っぽくなってしまいます。
マクロカメラ(5MP)
スペック上で「アウトカメラ3眼構成」と謳うためだけに搭載された、ミドルレンジ帯以下のスマートフォンによくある性能の低いマクロカメラです。
この端末は写真性能は低いです。
Redmi K40 / POCO F3 の動画性能はそこそこ
メインカメラでは4K画質の30fpsに対応しています。OIS(光学式手振れ補正)は非搭載ですが、歩行程度の画面の振れはしっかりと補正して撮影することができます。画質を1080pに落とすと、フレームレートを60fps(1秒間に60コマ)に増やすことができますが、その場合は手振れ補正が全く効かず実用的ではなくなります。また、超広角カメラでの動画撮影も可能です。
Redmi K40 / POCO F3 の対応バンド及びVoLTE状況
【Redmi K40】は幅広いバンド帯に対応
【Redmi K40】は日本の全てのキャリアの4Gプラチナバンド帯に対応しています。
【Redmi K40】の対応バンド
5G:n1 / n3 / n28A / n41 / n77 /n78
4G:FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5 /
B7 / B8 / B18 / B19 / B26 /B28A
TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 /B42
3G:WCDMA:B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19
CDMA EVDO:BC0
2G:GSM:850/900/1800 / 1900MHz;
CDMA 1X:BC0
【POCO F3】はソフトバンク系の4Gプラチナバンドのみ対応
グローバル版の【POCO F3】はなぜか対応バンド帯が減らされていて、ソフトバンク系の4Gプラチナバンドにのみ対応をしています。
POCO F3 の対応バンド
5G: n1, n3, n5, n7, n8, n20, n28, n38, n41, n77, n78
4G:FDD-LTE Band 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 20, 28, 66
TDD-LTE Band 38, 40, 41
3G: WCDMA Band 1,2,4,5,8
2G: GSM 850 900 1800 1900 MHz
筆者が【POCO F3】ではなく【Redmi K40】を購入した最大の理由です。
物理SIMを2枚入れることができるデュアルSIMをサポート
SIMトレーは両面に計2枚SIMカードを入れられる設計になっており、デュアルSIMに対応をしています。なお、外部ストレージ(SDカード)には対応していません。
VoLTEに対応
【Redmi K40 / POCO F3】はVoLTEに対応しています。
Redmi K40 / POCO F3 は生活防水に対応
IP53の防水防塵性能を備えており、雨の日でも安心して屋外で使用することができる程度の防水性があります。
Redmi K40 / POCO F3 の価格
最小構成(6GB/128GB)定価
⇒ 1999元(約39,494円)
※7月31日地点での価格です。また、アリエクスプレスやAmazonでは定価ではないものの取り扱いはあるようです。
まとめ
・かっこいいデザイン
・高輝度で鮮明なディスプレイ
・リフレッシュレート120Hz
・高性能で低発熱なSoC
・高音質なステレオスピーカー
・4G回線4キャリア全てのプラチナバンドに対応(Redmi K40)
・VoLTEに対応
・生活防水に対応
・日本語不可(Redmi K40)
・端末が重く幅が広く持ちにくい
・急速充電が33Wと低速
・無線充電非対応
・カメラ構成がいまいち
・対応バンドが狭い(POCO F3)
カメラや充電周りが非常に弱い端末ですが、高性能なSoCやディスプレイそしてスピーカーを備えており、価格が3.3万円(当時)は破格であると思います。今現在は円安や半導体の価格高騰の影響があり、今後【Redmi K40 / POCO F3】と同等もしくはそれ以上の高コスパスマートフォンが生まれる可能性は極めて低いです。ほぼゼロだと思います。また、2022年の今の為替レートをもってしてもこの【Redmi K40 / POCO F3】は、現在販売中の多くのスマートフォンより価格に対するパフォーマンス能力は非常に高く、また、今なお不自由なく使用することができる高い性能を備えている端末であるため、中古市場の相場は下がることなく取引が行われている状況にあります。そして発売から時間が経過して新品を入手することが難しくなっているため、中古市場での人気はしばらく継続することでしょう。この下がることのない中古相場は、【Redmi K40 / POCO F3】が2021年にXiaomiが生み出した名機であると言うことを物語っています。