近年のスマートフォンでは、OIS(光学式手振れ補正)技術を搭載した端末や、カメラのソフトウェア内で画角を絞ることでの動画の手振れ補正を実現してくれる端末など、カメラの手振れ補正技術が格段に進化している状況にあります。しかし、OISはハイエンドスマートフォンに限られ、ソフト上での処理では画角が狭くなり画質も落ちるという点ではまだ課題が残る部分もあります。これらの課題をクリアしつつ、どんなスマートフォンにも上質な手振れ補正機能を付与することができる安価なアイテムを入手しましたので紹介いたします。それは最近発売されたばかりのスマートフォン用ジンバル【hohem XE】です。
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この記事では、Androidスマートフォン「Xiaomi 12T Pro」を用いて使用した際のレビューをお届けします。
hohem とは
Haohao Excellence Technology Co., Ltdは2014年に中国深圳で設立されたジンバル専用メーカーです。スマートフォンのジンバルをはじめ、カメラやアクションカメラのジンバルの開発に注力しており、現在では最先端の顔追跡技術や世界最軽量の3軸ジンバルなどといった、高性能インテリジェント画像安定化システムと革新的なスマートスタビライザー製品およびソリューションを提供しているジンバル業界トップに君臨するメーカーとなっています。
hohem XE のスペック
機種名 | hohem XE |
サイズ | 179 × 79 × 39mm(折り畳み時) |
重量 | 259g |
バッテリー | 3.7V / 2,000mAh |
機械的な可動範囲 | パン:320度 ロール:320度 チルト:320度 |
制御可能な範囲 | パン:320度 チルト:-45度~+45度 |
専用アプリ | Hohem Joy |
対応機種 | スマホ最大耐荷重:280g≧ 厚さ:11mm≧ iOS 10.0 もしくは Android6.0 以降 |
接続方法 | Bluetooth |
hohem XE は軽量かつ折りたたむことで小型になる持ち運びに適した設計
開封〜内容物の紹介
本機パッケージはブラックとオレンジを使用した、少し毒々しさを感じるかっこいいデザインを採用しています。
パッケージの背面には簡単なスペックと内容物の説明、また各種認証マークが記載されています。
Bluetoothを使用するジンバルですが、しっかりと日本で使えるように技適マークが確認できます。
内容物はジンバル本体と専用のスタンド、typeCケーブル、専用のポーチ、そして取り扱い説明書が入っています。
本体外観の紹介
本機は折りたたまれた、非常にコンパクトな格好でパッケージ内に封入されていました。この状態で縦の長さは約18cmとスマートフォンより少しだけ長いサイズ感となっています。
重量も軽く(約260g)、専用のポーチに入れることでとても持ち運びやすく思います。
ジンバルを使用するために、ヒンジ部を開いた状態です。筆者は初めてジンバルを手にしましたが、思い描いていたものよりもかなりコンパクトに感じました。
ハンドル部にはLED表示ランプや各種ボタンや操作スティックが存在します。また、向かって右側にある電源ボタンの下には充電用のtypeCの入力端子があります。バッテリー容量は2,000mAhと大容量で、最大約8時間の連続使用を実現します。また、バッテリー残量については一番左のLEDの状態で確認することが可能です。
一日中めいっぱい使用しても問題ないバッテリー容量を備えています。
向かって左側にはズームスライダーを備えます。
本体下部には三脚ねじ用のねじ穴を備え、ジンバルを固定して撮影をする際に使用します。
同梱された専用のスタンドを使用した様子です。高さを出したいときは別途三脚に取り付けることをお勧めします。
スマートフォンを取り付けるには、グリップ部を手で押し広げて装着します。筆者はスマートフォンを取り付ける際、始めは少し硬く感じてしまいましたが、慣れることでスムーズに取り付けることが可能となりました。
スマートフォン装着時の様子
実際に「iPhone12」を取り付けた様子です。厚みは11mm以下、重さは280g以下までのスマートフォンを使用することが可能で、iPhone 14 Pro MAXに薄いカバーを使用している状態でも取り付けることが可能となっています。
Androidスマートフォンの6.7インチクラスの機種は、耐衝撃カバーを取り付けた状態では装着することができませんでした。
こちらは「Xiaomi 12T Pro」を取り付けた様子です。取り付ける際はスマホサイド部にある電源ボタン等に掛からないように注意しましょう。
hohem XE は直感的にできるシンプルな操作方法が特徴
ジンバル本体ボタンによる操作方法
ジンバル本体のグリップ部、親指で操作をしやすい位置に複数個ボタンが存在し、これらを押すことでジンバルを操作したりモードを切り替えたりすることができます。向かって右サイドにはMボタン、センターにはジョイスティック・シャッターボタン・機能ボタン、
そして左サイドにはズームスライダーが存在します。各ボタンについての機能は以下の通りです。
Mボタン (電源ボタン) | 3秒長押し:電源オン / オフ 1回押し:動作モード切替 2回押し:スタンバイモード 5回押し:自動キャリブレーション |
ジョイスティック (大きい丸操作レバー) | 上/下:チルト軸を上下に制御 左/右:パン軸を左右に制御 |
シャッターボタン (小さい丸ボタン左) | 1回押し:写真撮影 / 動画撮影開始及び停止 2回押し:写真 / 動画モード切替 3回押し:前面カメラ / 背面カメラ切替 |
機能ボタン (小さい丸ボタン右) | 1回押し:横撮り縦撮り切替 2回押し:初期位置に戻る 3回押し:自動回転 |
ズームスライダー | 上押し:ズームイン 下押し:ズームアウト ※専用アプリでのみ使用可能 |
それぞれのボタンには機能を説明する絵や文字が書かれており、見ただけで迷うことなく操作することができました。簡単に使用する程度であれば取扱説明書を読まずとも誰でも操作が可能です。
筆者も直感的に簡単に操作をすることができました。
撮影シーンにあわあせて4種類の動作モードが選択可能
本機は「チルト」「ロール」「パン」という名称の3基のモーターを搭載しており、それぞれが傾きや操作によって動作します。撮影したいシーンに合わせてそれぞれのモーターを使用したりロックをして好みの制御を選択することができます。
パン&チルトフォローモード(PTF) | ハンドルを上下 / 左右に回転させると、カメラはハンドルの動きに追従し、ロールモーターはロックされます。 |
パンフォローモード(PF) | ハンドルを左右に回転させると、カメラはハンドルの動きに追従します。チルトモーターは45度の角度内では追従しませんが、範囲を超えるとジンバルはチルトの動きに追従し、ロールモーターはロックされます。 |
オールロックモード(L) | ロールモーターとパンモーターはロックされます。チルトモーターは45度の角度内では追従しませんが、範囲を超えるとジンバルはチルトの動きに追従します。 |
オールフォローモード(POV) | パン、チルト、ロールが360度フォローして撮影します。 |
モード変更は「Mボタン」を1回押すごとに切り替わり、ハンドル部のLEDにて現在選択されているモードを確認することができます。
挙動については実際に使用してその感覚を掴みましょう。
専用アプリ「hohem Joy」による操作方法
専用アプリ「hohem Joy」はiPhone・Androidどちらにも対応
専用のアプリ「hohem Joy」を使用することで、ジンバルの細かい設定やスイッチを使用したズームイン / アウトが使用することができ、さらにはジェスチャーによる撮影の開始 / 停止を可能とします。また、ジンバル本体のアップデートもこちらのアプリケーションから操作が可能となっています。
Hohem Joy
Shenzhen Hohem Technology Co.,Ltd無料posted withアプリーチ
アプリを使用しなくてもジンバルを使用することが可能です。
スマートフォン本体純正カメラアプリと同じ解像度/フレームレートは選択不可能
残念ながらスマートフォンの純正カメラアプリではないため、ビデオの解像度やフレームレートには制限があるようです。今回使用している「Xiaomi 12T Pro」では8K解像度での動画撮影が純正カメラアプリでは撮影可能なのですが、専用アプリでは8K解像度の選択はできませんでした。
前述している通り「hohem Joy」を必ずしも使用する必要はないため、気になる人は純正のカメラアプリを使用しましょう。
ジョイスティック速度やズーム速度など細かな設定変更が可能
本アプリを使用することで、ジョイスティックでの首振りの速度やズーム速度の設定、また、選択中のモードの確認をすることができます。
ジェスチャーによるシャッター操作が可能
被写体が片手でピースサインをすることで写真撮影 / 動画撮影、手のひらをパーにすることで動画停止のジェスチャー操作をすることができます。ジンバルを置いて撮影するときに非常に有効です。
ジンバルのソフトウェアアップデートが可能
ジンバル自身のソフトウェアバージョンの確認や更新は、本アプリ上で行います。カメラの撮影をアプリで行わない場合も、このアプリをインストールしておくと良いでしょう。
hohem XE で超安定した動画撮影が実現
最強の手振れ補正をサポート
3つのモーターが自動で制御して水平を保ちます。手持ちで歩く程度ならどんなスマートフォンを使用しても最強に安定した動画撮影を実現します。また、専用アプリ「hohem Joy」を使用することで顔や指定した物を目標に追跡する機能があり、目標を常にカメラの中心に捉えることが可能です。
追跡機能があるので、お子さんのいるご家庭に超絶おすすめの商品です!
ジョイスティックによる画角のサポートも可能
ジョイスティックでモーターを自在に操作することが可能で、画角の微調整等にとても役立ちます。
全力疾走をして動画を撮影してみた結果
スマホジンバル hohem XE + Xiaomi 12T Pro
— 田舎団子 (イナカダンシ) @ガジェットブロガー (@Yoshi_2020sun) May 24, 2023
の全力疾走。#hohem pic.twitter.com/SKa3rtiVVi
本機【hohem XE】とOIS(光学式手振れ補正)を搭載した「Xiaomi 12T Pro」の組み合わせて、全力疾走をした動画を撮影してみました。確認してみるとほとんど手振れしていないことがわかります。歩く程度では一切の手振れがなくなり、非常にクリアな動画が撮影可能となります。
実際には全力疾走で動画撮影するシーンはありません。
hohem XE の価格
日本のアマゾンで購入が可能
Amazon定価
⇒ 10,990円
「hohem」はその他にの複数の機種を展開
⇩【hohem XE】+フィルライト セット⇩
⇩【hohem M6 kit】ハイエンドスマホジンバル⇩
まとめ
記事の中でも述べていることですが、接続方法や操作方法が非常にシンプルで簡単のため、スマホジンバルを使用したことのない初心者にお勧めの使いやすい製品であると思います。コンパクトで軽く持ち運びも楽で、さらには専用アプリを使用すれば追跡機能がとても便利で、小さな子供やペットの動画撮影に非常に役立ちます。基本的にどのスマートフォンでも使用することができ、長期的な使用も可能であるため、一家に一台購入しても良いかもしれません。
引用(1)