2021年末にスマートフォンメーカーのBlackview(ブラックビュー)より8インチディスプレイの【Blackview Tab6】がリリースされ日本でも人気の機種となりました。長い年月を経て同社製8インチタブレット第二弾となる【Blackview Tab5】が2023年3月に待望のリリースとなりました。このタブレットは前作【Blackview Tab6】をアップグレードした機種ではなく、さらに機能を削って格安となった商品となっています。この記事では【Blackview Tab5】を詳細にレビューしていきます。
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⇩【Blackview Tab6】のレビュー記事はこちら⇩
Blackview Tab 5 のスペック
機種名 | Blackview Tab 5 |
カラー | ・ブルー ・グレー |
ストレージ | 64GB(eMMC 5.1) microSD:1TB迄対応 |
メモリ | 3GB(LPDDR3) 2GB拡張可能 |
サイズ | 高さ:211.2mm 幅 :126.2mm 厚さ:9.7mm 重量:355g |
ディスプレイ | 8.0インチ 液晶 解像度:HD+(800 × 1280) アスペクト比:16対10 画面占有率:83% リフレッシュレート:60Hz |
プロセッサ | Rockchip RK3326S AnTuTu 約6万点 |
バッテリー | 5,580mAh 5W 有線充電 Type-C |
カメラ | リアカメラ メインカメラ 2MP フロントカメラ 0.3MP |
サウンド | デュアルスピーカー 3.5mmイヤホンジャック |
生体認証 | - |
対応バンド | - |
Wi-Fi | 802.11b/g/n(2.4GHz) |
Bluetooth | 対応 |
位置情報 | - |
センサー | |
防水規格 | - |
OS | Doke OS 3.0 (Android 12ベース) |
その他 | 技適認証 |
Blackview Tab 5 は樹脂製バックパネルでコストカット・軽量化を実現
開封・同梱品の紹介
パッケージは正面に本機イラストが光沢付きで大きくプリントされています。箱の厚みもあり、格安の端末とは思えない重厚感のある商品箱であると言えます。
パッケージ背面には簡単なスペックと各種認証マークが記載されています。
後述もしますが、技適マークしっかりあります。
内容物はタブレット本体のほかに取扱説明書、そして充電ケーブルと日本で使用できる充電アダプターが同梱されています。本体のカバーはないので別途購入する必要があります。
充電アダプターは7.5Wの充電速度に対応しています。
本体自体は5Wの充電速度にのみ対応です。
本体外観の紹介
タブレットの外観はいたってシンプルなデザインとなっています。素材は完全に樹脂製で、チープ感はとても強いです。
質感や見た目はBlackview Tab6と同じです。
左上の角にはアウトカメラとLEDフラッシュがあります。デザインの工夫は全くありません。
シンプルイズベスト!
本体上部は左から充電口、microSDカードスロット、3.5mmイヤホンジャック。
下部にはスピーカーが2基。
背面向かって左側には音量ボタンと電源ボタン、そしてマイク穴を備えます。
保護フィルムは初期装備
初期状態で画面には保護フィルムが張り付けてあります。
ありがたいですが、非常に指の滑りがわるく指紋がつきやすいです。別途調達することをお勧めします。
本体重量は約361gと軽量設計
公称値は355gですが、筆者が実測した値は361gでした。画面保護フィルム分が公称値との差であると思われます。背面が樹脂素材であるため非常に軽量な設計となりました。
横幅は約126mm、厚みは約10mmと片手でしっかりと持てるサイズ感であると言えます。
これぞ、8インチタブレットの強み!
iPad mini 6より横幅が小さく、エッジも丸い為持ちやすさは本機に軍配が上がります。
iPadの方が軽いですが、持ちやすさはTab5が優秀!
Blackview Tab 5 は超ロースペック8インチ液晶ディスプレイを搭載
画面解像度はHD+に留まる
本機は8インチIPS液晶ディスプレイを搭載しています。上下のベゼル部が広く、一昔前の端末のような印象を受けてしまいます。また、解像度はHD+となり、肉眼でもその粗さが十分にわかる解像感です。
屋外では視認性の低い低輝度ディスプレイ
タブレットなので屋外で使用するケースは少ないことと思われますが、画面輝度は300nitしかなく太陽の下では視認性は低いです。また、自動調光はありません。
画面リフレッシュレートは60Hzのみ
本機の画面のリフレッシュレートは60Hzのみです。
Blackview Tab 5 のシステム容量は超軽量でストレージを圧迫せず
プリインストールアプリはほぼGoogle系のみ
初期状態でインストールされているアプリは少なく、そのほとんどがGoogle系のアプリとなっています。
ストレージ容量は64GB中の約10GBが使用中
Xiaomiなどのスマートフォンでは初期アプリやシステムだけで20GB以上のストレージ容量を圧迫しているケースがありますが、本機IはシンプルなOSと少ない初期アプリのおかげで初期状態における使用中のストレージ容量は約10GBのみと非常に少ない状態となっています。また、microSDカードに対応しているため、容量が足りない場合は外部メモリを活用するようにしましょう。
Blackview Tab 5 はSNS閲覧や動画視聴すら厳しい処理性能
AnTuTuベンチマークテスト(V10 lite)の結果
SoCに「Rockchip RK3326S」を搭載しているこの端末は、AnTuTuベンチマークテストVersion10.0.1(lite版)にて約6万点を記録します。現在ではローエンド帯の端末の中でも下限の位置に属し、WebやSNSの閲覧や動画視聴ですら快適に操作をすることができません。もちろん、原神などのような3Dグラフィックを用いたゲームではあきらかに性能不足であり、本機を用いてゲームをすることはお勧めできません。
⇩AnTuTuバージョン9におけるスコア結果【参考】⇩
機種名 | スコア | SoC |
Blackview Tab13 | 256,508 | MT HG85 |
Blackview Tab11 | 230,358 | U T618 |
Blackview Tab6 | 153,126 | U T310 |
Blackview Tab12 | 112,376 | MT SC9863A |
「ツイッター」の挙動をチェック
ツイッターを実際に操作してみたところ、画像の表示やスクロールはワンテンポ遅れてしまい、とても快適とは言い難い結果となりました。
「Kindle」の挙動をチェック
「Kindle」を使用して小説を読むことについては、表示が遅れたりスクロールがついてこないなど不満に感じることは一切ありませんでした。プリインストールアプリとしてGoogleの「playブックス」があるのは、メーカーとしても読書用のタブレットとして使ってもらいたいという意図があるものと思われます。
端末のサイズ感も良く、読書に最適のタブレットな気がします!
設定でRAM容量を追加可能
設定より仮想メモリを設定することが可能となっており、本機は最大で2GB拡張できます。これにより、非力なSoCをサポートすることができるでしょう。
Blackview Tab 5 のバッテリー性能もイマイチ
バッテリー容量5,580mAhも省電力性能は低い
バッテリーテストは「PCMark for Android」にて、画面リフレッシュレート60Hz、輝度音量共に50%固定して実施しました。その結果、バッテリー残量100%から20%になるまでに7時間13分を要しました。つまり0%になるまで使用を続けた場合は約9時間1分かかる計算となります。バッテリー性能についても少し物足りない性能であることがわかりました。
機種名 | 記録時間 | バッテリー容量 |
Blackview Tab13 | 12時間41分 | 7,280mAh |
Blackview Tab11 | 11時間43分 | 6,580mAh |
Blackview Tab6 | 11時間16分 | 5,580mAh |
Blackview Tab12 | 9時間11分 | 6,580mAh |
充電速度は5Wと低速
充電速度は5Wの充電速度にしか対応しておらず、急速充電は不可能です。
Blackview Tab 5 のスピーカーはデュアルでステレオながら同じ側面に存在
低音に弱いシャカシャカスピーカー
本機のスピーカーは縦持ちした時の下側面に2基あり、しっかりとステレオに対応しています。しかし、動画を見るときは基本的に横持をするので、左右どちらかからのみ音声が流れてきてしまう仕様となります。その際はステレオであることは一切関係なく少し残念に感じてしまいます。また、低音がとても弱く、さらには籠って聞こえてしまうため音質については悪いと言わざるを得ません。
3.5mmイヤホンジャックを搭載 Bluetoothにも対応
本体の上側面に3.5mmのイヤホンジャックを搭載しています。スピーカーの質が悪いので、イヤホンを使って音を聞くのはあり。もちろんバージョンは不明ですが、Bluetoothにも対応しているので無線イヤホンを使用するのも良い選択しと言えます。
Blackview Tab 5 は生体認証に非対応
本機には顔認証もしくは指紋認証システムは非対応となります。端末にロックをかける場合はPINやパスワード、パターンを解除する必要があります。もしくはスマートロック機能を用いて、特定の場所やスマートウォッチと連動させることでの解除をすることも可能です。
Blackview Tab 5 のカメラはメモ程度にしか機能しない
メインカメラ(2MP)
アウトカメラは1つしかありません。スペック的にも200万画素ととても低い解像度となります。実際に撮影した写真を見てもわかる通り、すべてのディティールがつぶれてどこにもピントが合っていないような写真しか撮影できません。屋内では非常にノイジーとなってしまうので、思い出を記録するために使用するカメラというより、メモ用途としてしか機能しないと言えます。
インカメラ(0.3MP)
インカメラについては30万画素しかなく、メインカメラの写真をさらに約10倍粗くしたような写りとなってしまいます。
Blackview Tab 5 の動画性能も使い物にならない
言うまでもなく動画性能も低く、ガラケーで撮影したかのような粗い動画しか撮影できません。
Blackview Tab 5 はWi-Fi専用機でSIMカードによる通信は不可
SIMカードスロットはなくWi-Fi 2.4GHzによる通信にのみ対応
本機はWi-Fi専用機となります。2.4GHzにのみ対応しているので、5GHzによる高速データ通信は不可能です。もっとも処理性能が低いので、高速通信で大容量のデータを捌くことはできないと思われるため、搭載SoCに合った妥当なスペックであると言えます。
技適はしっかりと対応
本機は技適に対応しており、日本国内でも問題なく通信をすることができます。
Blackview Tab 5 はGPS・防水に非対応でWidevineレベルは3
GPS機能はなくWi-Fi利用時のみ位置情報を取得可能
本機にはGPSが搭載されていないため、カーナビとして使用することはできません。
防水防塵性能はなし
防水防塵性能はなく、お風呂で使用することは禁物です。手に持ちやすい端末なだけに少し残念です。
Widevine L3でサブスク系映像コンテンツは高画質再生が不可
ネットフリックスやAmazonプライムビデオを高画質で見るために必要となる「Widevine L1」には非対応となります。
Blackview Tab 5 の価格
Amazon定価
⇒ 13,900円
※Amazonでは定期的にクーポンが配布されさらに安く購入することが可能です。
まとめ:読書をする場合のみ活躍できる格安8インチタブレット
・8インチで片手で持てるサイズ感
・圧迫されていない初期ストレージ容量
・技適対応
・約1万円で買える価格
・質の低い液晶ディスプレイ
・下限の処理性能
・物足りないバッテリー性能
・偏っているスピーカー
・メモとしてしか使えないカメラ
・SIMカード、GPS、防水防塵、Widevine L1非対応
ここまで辛辣な評価を続けてきましたが、物価が高騰してあらゆるものの価格が上がってる現代において、不要なものを切り落として約1万円で販売することができていることはひとえに企業努力の賜物であると思います。また、本機は読書に限ってはまともに動作するうえ、片手で持てるとても良いサイズ感であることから、Amazonデバイスの「Fire HD タブレット」と同じような位置付けで、同じような使い方が望ましいと言えるでしょう。